マンションの管理費を滞納し続けると競売になるの!?任意売却だと滞納した管理費を支払ってくれるってマジ?

man
マンション管理費や修繕積立金を滞納しています。このままでは、どうなってしまうのでしょう?
concierge
競売にかけられる可能性が高くなります。
man
では、競売と任意売却でしたら、どちらがいいのでしょうか?
concierge
任意売却は、管理費や修繕積立金の滞納額を控除してくれますし、任意売却の方が高く売れるでしょう。

というわけで、分譲マンションを購入すると住宅ローンの他に、管理費や修繕積立金を毎月支払う必要があります。住宅ローンの返済だけでも大変なのに、管理費や修繕積立金を毎月支払うというのは経済的に大きな負担となるでしょう。

マンションの管理費や修繕積立金などを滞納し続けると競売にかけられる可能性があります。競売を回避するために任意売却を選択するにしても、管理費や修繕積立金を滞納しているままで任意売却をすることができるのか紹介をしていきます。

管理費の滞納は珍しくない

一般的に所有者の専有部分の面積に応じて、分譲マンションの共有設備の維持管理費を負担します。

ほとんどの分譲マンションでは、管理会社に日常のメンテナンス業務を委託しています。たとえば、エレベーターの保守点検費用・エントランスや廊下、階段の清掃・共有設備の水道光熱費・管理人の人件費を維持管理費として居住者は負担しなければなりません。

そして、国土交通省の平成25年度の調査によると、管理費と修繕積立金の平均額を合計すると2~3万円を毎月支払っているようです。しかし、平成20年度と平成25年度を比較すると管理費等の滞納が発生しているマンションの割合は減少しており、滞納が発生していないマンションは56.1%になります。

逆に滞納があるマンションは、平成25年度は37.0%もあります。平成15年度は26.7%である点から見るに増加傾向です。それだけ、住宅ローンにプラスして支払う管理費や修繕積立金の支払いというのは家計を圧迫しているのでしょう。

ちなみに、管理費についてですが、一度滞納をしてしまうと遅延損害金なども発生しますので、一度の滞納が原因で長期滞納に発展するケースも珍しくなく、100万円以上を滞納しているケースも珍しくはありません。

月、2~3万円程度ですが、月3万円として2年滞納すれば72万円、3年間の滞納で108万円となります。

なぜ、100万円を超える額まで滞納することができるのかといいますと、マンション管理組合は管理費や修繕積立金の徴収に対しても管理会社へ委託をしています。しかし、マンション管理組合は訴訟を起こしてまで取り立てることをしないので、膨大な滞納額に膨れあがり、最終的にはマンションの理事会などの判断で法的処置の検討が始まります。

管理費・修繕積立金を滞納し続けるとどうなるか?

管理費・修繕積立金の滞納額が50万円を超える場合、強制執行をはじめとした法的処置がとられるようになります。

管理組合は、支払い督促や簡易訴訟などの法的手段を含めて、強制競売を申したてることがあります。強制競売は競売の起こす手順が異なるだけであり、通常の競売と内容は同じです。

マンション管理組合により競売が申立てられると、裁判所から「競売開始決定通知」が届きます。

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競売開始決定通知が届いてから、実際に期間入札が始まるまで半年以上の期間がありますので、この段階で任意売却の専門業者へ依頼をすれば、比較的スムーズに任意売却をすることができるでしょう。

管理費滞納が原因で競売になるケース

住宅ローンの残債務がまだある場合の競売

住宅ローンの残債務がある場合、住宅としている分譲マンションには金融機関などの債権者から抵当権を設定されています。

この場合、管理組費等を回収するために競売を申立てたものの、配当は抵当権を持っている債権者へ優先的に行われますので、金融機関が住宅ローンの残債務を回収したのち、余りがあれば管理組合が滞納管理費を回収するわけです。

アンダーローン(住宅ローンの残債務<住宅の売却益)ならば問題ありませんが、オーバーローン(住宅ローンの残債務>住宅の売却益)の場合、抵当権を持っている金融機関が売却金額をとっても、まだ住宅ローンの残債務が残っている状態ですから、管理組合が滞納管理費を回収することはできません。

このような場合「無剰余取消」という制度にて、管理組合の申立ては裁判所の判断により取り消されることがあります。なぜなら、競売をおこなっても管理組合には1円もお金が入ってこないからです。

区分所有法59条を利用して競売の申立て

住宅ローンの残債務が売却益よりも少ない場合、管理組合は競売を起こしても、裁判所によって却下されます。このような場合、管理組合としては面白くありません。

しかし、管理組合には区分所有法59条を利用した、もう1つの競売の申立て方法があります。

区分所有法59条を簡単にいえば、マンションに住んでいる他の居住者たちとの共同生活をする上で重大な問題・障害があり、様々な方法を利用しても問題が解決できない場合、管理組合は競売によって強制的にその障害を排除することができるという規定です。
concierge
つまり、本来区分所有法59条は、危険な暴力団員や団体をマンションから追い出すために利用される手法ですが、これを使い管理費や修繕積立金を滞納する悪質な居住者の部屋を強制的に競売にかけて追い出すわけです。

ただし、この方法を利用したところで、オーバーローン状態であれば抵当権を持っている債権者に売却金額が優先的に配当されます。そのため、管理組合には1円も入ってきません。ただし、この区分所有法59条を利用すれば裁判所は「無剰余取消」をすることができなくなり、競売にて強制的に居住者を追い出すことができるわけです。

管理組合にはデメリットしかないのでは?

区分所有法59条を利用して強制的に競売にかけたとしても、マンション管理組合には、1円もはいりません。それならば、区分所有法59条を利用し競売を起こすわけがないと考えるかもしれません。

しかし、滞納している管理費や修繕積立金は次の所有者へ請求することができます。

特定継承人の責任というものなのですが、中古分譲マンションの買主は特定継承人となります、特定継承人は前所有者の滞納債務の支払い義務を持つのです。
concierge
つまり、競売にかけて1円も配当を得ることができないマンション管理組合は、所有者が入れ替わってくれれば、新しい所有者にマンション管理組合は、前所有者が滞納した管理費などを請求することができます。

これには中古分譲マンションを購入した買主の同意を必要とはしませんし、前所有者である売主と買主との間に、滞納している管理費等を支払わないという契約があったとしても支払いの義務が発生します。

新しく中古分譲マンションを購入した買主には、前所有者が滞納した管理費があれば拒否権なく支払いの義務が課せられます。

競売物件の危険性

競売や任意売却をする側には関係のない話ですが、競売の物件は注意して購入するべきであるというのは、特定継承人などの制度があるからです。

たとえば、競売の場合、マンションの管理費滞納がある場合、その滞納している金額分をあらかじめ最低入札額から差し引きます。

物件の価値が500万円あり、滞納している管理費が300万円あるのであれば、売却基準価格は200万円となります。そして、売却基準価格の80%程度が買受可能価格(最低入札額)となりますので、競売では160万円で売り出されるわけです。

もちろん、この管理費の滞納情報については、競売物件の3点セットの1つである評価書の「滞納管理費等相当額の減額」という項目にて確認することができます。

ということで、売却基準価格1万円というとんでもない物件がBITなどでたまに掲載されるわけですが、よくよく評価書を見てみると、地下・建物の価値が合計で200万円であるにもかかわらず、滞納管理費が300万円ある場合、売却基準価格1万円となるわけです。

マイナスで競売にかけることができないので、1万円となるわけであり、実際に購入したら莫大なお金がかかるというわけです。

滞納している管理費を任意売却で一括解消が可能

競売より任意売却が良い理由

管理費を滞納し続けると、競売によってマンションを売却しなければならないことになるということは分かったはずです。

競売は早く売却することを前提にして売り出しを行います。そのため、任意売却と比較をして売却価格というのは安くなります。結果として、住宅ローンの残債務の返済額も少なくなり、競売後に多額の残債務が残ることになります。

また、マンションの場合は「特定継承人の責任」により、管理費や修繕積立金を滞納している場合、買主が代わりに清算をしなければなりません。そのことが原因で、さらに売却価格が安くなります。

つまり、

  • 競売では、売却価格が安くなる
  • 特定継承人の責任で、さらに売却価格が安くなる

このように、マンションを競売にかけられてしまうと、一般住宅よりも安くなってしまうわけです。

任意売却のメリットについて

任意売却のメリットとしては、下記の4点があり、

  • 市場価格で売却できるので、住宅ローンを多く返済することができる
  • 売却代金の中から、管理費の滞納分の一括支払いを認めてくれる
  • 仲介業者が、遅延損害金などの減額交渉をしてくれる
  • 引越し費用を売却代金の中から負担してもらえる可能性がある

このようになります。

市場価格で売却できるので、住宅ローンを多く返済することができる

競売とは異なり、市場価格に近い価格で売却することができるので、住宅ローンの残債務を多く返済することができます。

競売は基本的に、早く売り払うことに重点を置いていますので、マンションで管理費等を滞納していると、売買価格はさらに安くなってしまい、場合によっては1万円での売却となります。

売却代金の中から、管理費の滞納分の一括支払いを認めてくれる

競売ともっとも異なる点が、「売却代金の中から、管理費の滞納分の一括支払いを認めてくれる点」です。

競売でオーバーローン状態の場合、マンション管理組合には1円も入金はありません。

しかし、一般売買の場合は、特定継承人の責任があると、事前に仲介業者が、中古マンションに滞納金があることを買主に説明をして納得をしてもらわなければなりません。結果として、売却代金が安くなってしまうわけです。

それを防ぐために、任意売却では売却代金の中から優先的に滞納管理費を返済し、権利関係を綺麗な状態にして売却をします。そのため、売却価格が安くなる心配もなければ、買主が特定継承人の責任として売主の滞納管理費を支払う必要もないのです。
concierge
たとえば、任意売却にて1000万円で売れ、住宅ローンの残債務が1200円、そして、滞納管理費が100万円あるとします。この場合、優先的に滞納管理費100万円をマンション管理組合に返済して、残りの900万円を金融機関などの抵当権者へ配当するのです。

つまり、特定継承人の責任が発生しなくなり、マンションが安く買いたたかれるということもなくなります。

仲介業者が、遅延損害金などの減額交渉をしてくれる

競売よりも問題が早期解決しますし、マンション管理組合としても任意売却をした方が、競売で売却し買主に滞納管理費を請求するよりもメリットがあります。

そのため、たとえば、任意売却が成功したらすぐに一括で滞納管理費を支払うので、遅延損害金を免除してくださいと、マンション管理組合と交渉をすることができます。

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遅延損害金について、放っておくような態度ではなく、一刻も早く問題を解決したいという態度をとっておけば、比較的、交渉に応じてくれます

引越し費用を売却代金の中から負担してもらえる可能性がある

これは可能性の話であり、確実に引越し費用が売却代金の中から負担してもらえるかは、仲介業者の手腕次第にはなると思いますが、20万円程度までは認めてくれるケースがあります。

ただし、法的に支払いの義務はありませんので、絶対に支払われるというものでもありません。

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任意売却をする場合、債権者へ住宅ローンを支払ってはいけません。そのため、任意売却が完了するまでの期間中に、住宅ローンで消えていた収入をまるまる手元に残すことができますので、引越し費用の捻出は問題にならないでしょう。

なぜ、債権者が滞納管理費を支払うのか?

前述のとおり、任意売却の場合、債権者は滞納管理費を売却代金からの費用控除を認めています。

本来、抵当権というものはもっとも優先される権利なので、滞納管理費の支払いよりも優先されるものです。そのため、滞納管理費の費用控除など認めなくても問題はありません。

しかし、滞納管理費が残ったままであると、任意売却の買主に滞納管理費の支払い義務が発生してしまうので、買主はそのような物件の購入をいやがるのは当然です。特定継承人の責任は、区分所有法8条にて、売主の滞納した分の支払い義務が買主に発生します。

つまり、滞納管理費を支払うことにより、任意売却をより確実に成功に導くのですから、滞納管理費の費用控除については、必要経費です。

債権者が自らの回収額を減らしてでも、滞納管理費の負担を認めるというわけです。競売での売却となってしまえば、さらに回収額が見込めないわけですから、必要経費を支払ってでも、競売を避けた方がトータルでの住宅ローン残債務の回収額が多くなるという計算です。

この計算があるので、債権者は滞納管理費の費用控除を認めるわけです。ただし、注意しなければならないのは、本来債権者は滞納管理費を費用控除する義務も義理もないのです。

無限に必要経費として認めて負担してくれるとは限らず、債権者の裁量により額が決まります。債権者の中には、滞納管理費の費用控除を認めない方針を掲げているところもありますので、その辺は注意をしてください。

まとめ

分譲マンションを購入した場合、住宅ローンの他に毎月、2万~3万円の管理費や修繕積立金が発生します。毎月発生するものですから滞納を続けていけば、遅延損害金とともに莫大な額になります。

マンション管理組合は滞納額が50万円を超えたあたりから法的措置をとる場所もあれば、100万円を超えても法的措置をとらない場所もあります。

しかしながら、管理費や修繕積立金を滞納していることが原因で、強制競売というものにかけられてしまいます。強制競売については、申立ての手続きが異なるだけで普通の競売と同じように進行します。つまり、「競売開始決定通知」が届きます。

ただ、オーバーローン状態の場合、マンション管理組合には1円も収入が入りませんので、裁判所は無剰余取消しにて、裁判を却下します。しかし、区分所有法59条を利用して居住者を追い出すための競売を起こすことは可能です。

つまり、管理費を滞納すると競売にて追い出されることになります。さらに滞納している滞納管理費については、買主に支払い義務が生じます。買主が拒否しても法律にて決まっていますので、拒否権はありません。その結果、競売での売却額というのはものすごく低くなってしまい、住宅ローンの残債務の回収をすることがさらに難しくなります。

任意売却の場合、住宅の売却金額の中から滞納管理費を控除してくれますので、競売と比較をすると高額で住所を売れることが可能です。

そのほかに、任意売却のメリットとしては、

  • 市場価格で売却できるので、住宅ローンを多く返済することができる
  • 売却代金の中から、管理費の滞納分の一括支払いを認めてくれる
  • 仲介業者が、遅延損害金などの減額交渉をしてくれる
  • 引越し費用を売却代金の中から負担してもらえる可能性がある

このようなメリットがあります。

ただし、無限に控除してくれるわけでもなく、また、控除自体を拒む債権者がいることを忘れてはいけません。

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