任意売却検討中の方必見・任意売却のトラブル一覧!

man
任意売却を考えているのですが、絶対に引っ越し代金をもらえるのでしょうか?
concierge
絶対ではありません。もらえる可能性があるわけです。
man
そうなのですか。他にも、任意売却のトラブルや注意点はありますか?
concierge
いろいろとあります。

ということで、今回は任意売却にまつわるトラブルについて紹介をしていきます。任意売却のトラブルといえば、買主に関するトラブルが多いのですが、この記事では売主に起きるトラブルについて紹介をしていきます。このようなトラブルが実際に発生しますので、注意をしましょう。

業者が原因のトラブル

任意売却は、

  • 業者が原因のトラブル
  • 売主(債務者)が原因のトラブル

この2点に大別することができます。

業者側のトラブルは、売主に金銭的な損害が出る可能性があり、売主側のトラブルでは、買主と業者に何らか損害が出る可能性があります。

買主については詳しくは述べませんが、任意売却の物件は瑕疵担保責任の免除という項目があります。購入した物件に何等かの問題があっても売主は責任を持ちませんというものです。また、マンションの場合であれば、区分所有法上の特定継承人に買主はあたりますので、売主が滞納した管理費や遅延損害金を支払う義務を負う可能性もあります。

では、業者が原因のトラブルとはどのようなものがあるのでしょうか。

業者が原因のトラブルについては、

  1. 任意売却申請費・コンサルティング料を要求する
  2. 引っ越し代が必ずもらえると宣伝をする
  3. 媒介契約締結時に任意売却業者が金銭を支払う
  4. 任意売却の知識がない不動産会社が任意売却をする

この4つの事例が存在します。

売主に任意売却の知識がまったくないことに付け込んだ悪徳業者の手段です。

任意売却申請費・コンサルティング料を要求する

任意売却の悪徳業者の中ではメジャーな方法ですが、本来は要求してはいけない費用を要求するというパターンです。任意売却の手続き、通常の不動産売買とは異なりますが、あくまでも不動産取引の1種にあたります。

そのため、報酬の上限は、「取引価格の3%+60,000円(税別)」と宅地建物取引業法で定められています。つまり、任意売却をする場合、これ以上の報酬を業者は要求することはできません。

コンサルティング料を請求することができるのは、不動産コンサルティング技能士という資格を持った者が「不動産の媒介業務以外」に特別な業務を行った場合です。しかし、任意売却には不動産コンサルティング技能士の報酬として認められるような特別な業務というものはありません。

そのため、

  1. 任意売却申請費用
  2. コンサルティング料
  3. 任意売却事務処理費

などの費用を請求された場合は違法となります。

concierge
違法になりますので、その会社へ免許を与えている都道府県知事・国土交通大臣といった免許権者に連絡をすることで、請求した業者は宅地建物取引業法違反となり、処罰として免許取消、罰金等の処分を受けることになります。

また、任意売却業者に支払う報酬である「取引価格の3%+60,000円(税別)」は、任意売却の売却費用から控除されます。つまり、売主は報酬を任意売却業者へ自腹で払う必要はありません。

引っ越し代が必ずもらえると宣伝をする

競売と任意売却の大きな違いとして、引っ越し代の有無があります。競売については、引っ越し代は出ませんが、任意売却をしても引っ越し代が必ず支払ってもらえるわけではありません。

あくまでも、もらえる可能性があるだけであり、もらう権利はありません。買主も引っ越し代を支払義務は負いません。そのため、多額の引っ越し代を支払ってもらえるという甘いことばで誘惑する悪徳業者には騙されていけないのです。

concierge
一応、引っ越し代が控除されることもありますが、引っ越し代は住宅金融支援機構であれば30万円を上限としています。一応、住宅金融支援機構の費用控除基準を参考にしている債権者が多いので、上限30万円と考えておけば問題はないでしょう。

ただし、あくまでも債権者との交渉の中で控除額が決まってきます。そのため、引っ越し費用の保証については、金融機関は行っていません。

引っ越し代をどのくらい引き出すことができるのかは、任意売却の担当者の腕次第になります。なりますが、100%引っ越し代を債権者に認めさせることは不可能です。あくまでも、債権者との交渉により勝ち取るものですから、必ず多額な引っ越し費用を出してもらえるとは限りません。

媒介契約締結時に任意売却業者が金銭を支払う

任意売却は不動産取引の一種になりますので、購入者が売主へお金を支払初めて、任意売却は成立します。売買が成立しなければ、不動産会社に対しては、一切費用を支払う必要はないのです。そのうえ、任意売却成立前に不動産会社が報酬を受けとることもありえません。

しかし、任意売却専門業者の中には、媒介契約締結時に売主に対して金銭を支払う任意売却業者が存在します。なぜ、仲介手数料をもらう側である任意売却業者が支払う側の売主に金銭を支払うのか謎です。しかし、このような不可解な金銭を受け取ってしまった場合、後々のトラブルの原因になります。
concierge
実際に起きた事例としては、任意売却会社から結局お金をだまし取られてしまい、住宅を市場価格の半額以下で買取されたなどの被害報告もあります。つまり、任意売却業者がお金を支払うという場合は、悪徳業者の可能性があるうえ、なぜ支払うのか不可解ですから受け取らず、別の業者に依頼をするようにしましょう。
たとえば、「引っ越し代です」などと言われたら、ラッキーと思い受け取ってしまいがちです。しかし、受け取ってしまうと受け取った額以上の損害がでますから注意をした方がいいでしょう。

任意売却の知識がない不動産会社が任意売却をする

任意売却は、不動産取引の一種になりますので、不動産会社が任意売却をすることは法的には何の問題もありませんが、普通の不動産会社に依頼するのはトラブルの原因になります。

普通の不動産売買に関しては、宅地建物取引業法・民法に従い業務をおこなえば問題ありません。

では、任意売却については宅地建物取引業法・民法・弁護士法・民事執行法・債権管理回収業に関する特別措置法などの豊富な法律知識を持っていなければ、うまく任意売却を成功させることは難しくなります。

concierge
専門知識のない普通の不動産会社へ任意売却を依頼してしまうと、普通の不動産取引のように販売活動を行おうとします。任意売却は売主よりも債権者の意見を優先しなければなりませんので、必ず債権者とのトラブルに発展することでしょう。たとえば、残債務額の金額で販売価格を設定してしまい、高すぎて売れないので、競売になってしまうなどのトラブルを挙げていけば枚挙に暇はありません。

悪質な業者と優良業者の見分け方について

悪質業者や任意売却に不慣れな業者へ任意売却を依頼してしまうと、任意売却に失敗するか騙されて大金を取られてしまいます。このような被害は数多く報告されています。競売より高く売れるはずだったのに、競売よりも安い価格で売却されて残債務が莫大な額になってしまっては面白くありません。

悪質業者や任意売却と優良業者は依頼をする段階で見分けなければなりません。

では、何を参考にすればいいのでしょうか。

不動産業者の知名度などを参考にしてもいいのです、それよりも任意売却の実績・実務経験がどのくらい豊富なのか。また、任意売却の業界でどのくらい知名度を誇っているのかという点において判断をするべきです。

また、弁護士のような債務整理のプロなどと連携が取れているのかというのも重要です。任意売却は結局のところ債務整理の方法の1つになりますので、債務整理の専門家である弁護士と連権が取れていれば、それだけ有利な条件で借金の整理をすることができるようになるでしょう。

売主(債務者)が原因のトラブル

売主(債務者)が原因のトラブルとして考えることができるのが下記のものです。

  1. 瑕疵を知りつつも黙っている
  2. 特定の債権者にのみ返済を続ける
  3. 債権者の存在を黙っている
  4. 税金の未納
大方の場合、これら4つが原因で任意売却中にトラブルに発展します。

特に、1番以外はすべて任意売却に不成立に直結するほか、任意売却の専門業者と決定的な不和の原因になります。任意売却に失敗してしまうと、競売になり、最終的に損をするのは売主になりますから、変な見栄を張ることなく任意売却に成功のためにトラブルの原因は必ずつぶしていくようにしましょう。

瑕保を知りつつも黙っている

任意売却の場合、瑕疵担保責任の免除という特約を付けるのが一般的です。瑕疵担保責任とは、たとえば、雨漏りがあるのを買主が発見した場合、売主へ請求することで売主は雨漏り修理のための費用を売主へ支払います。これが瑕疵担保責任です。数年間はこの責任の効力が及びます。

しかし、任意売却の場合は経済的に家計が破たんしている可能性が高いので、瑕疵担保責任の免除をしてもらいます。つまり、雨漏りがあっても買主は売主へ修理するように請求することができません。

瑕疵担保責任の免除には例外があり、あからさまに瑕疵、つまり欠点があることを知っているのに、高額で売却したい一心で黙っていると、瑕疵担保責任の免除特約が効果を発揮しないケースがあります。

concierge
つまり、瑕疵を知りつつも黙っていると、後々、買主とのトラブルに発展して買主から売主へ請求が来ることがあります。知っているのに黙っていたので、瑕疵担保責任の免除特約は効果を発揮せず、結局、売主は損をすることになります。高く売るためには黙っていた方がいいと考えがちですが、きちんと瑕疵について説明をしておくことで、後々のトラブルを回避することができるでしょう。

特定の債権者にのみ返済を続ける

任意売却をすると考えた場合、すべての債権者へ住宅ローンの返済を中止して、期限の利益の喪失をする必要があります。期限の利益を喪失すると、ローン保証会社が銀行などの金融機関に住宅ローンを一括で代位弁済をしてくれます。

この時点より、債権者が銀行から住宅ローンを代位弁済した、ローン保証会社やローン保証会社から委託を受けたサービサーとなります。そうなることで、任意売却の手続きを本格的に実行することができるようになるのです。

しかし、特定の債権者にのみ住宅ローンの返済を続けていると、返済を受けている特定の債権者は期限の利益の喪失をしません。なぜなら、きちんと住宅ローンを返済しているから、期限の利益の喪失をする必要がないのです。債務者がどのような状況であったとしても、返済さえし続けてくれれば債権者は任意売却に応じる必要もなければ期限の利益を喪失させる必要もありません。
つまり、任意売却をすることができません。任意売却の原則としてすべての債権者からの同意が必要ですから、特定の債権者にのみ返済をしていては、いつまでたっても任意売却をすることができません。結果として、他の債権者が起こした競売により、売却となってしまい損をしてしまいます。
concierge
そのため、たとえ、わずかな額であったとしても特定の債権者に返済をするというのは、任意売却失敗の原因になります。

債権者の存在を黙っている

前項の特定の債権者にのみ返済をするという話に近いのですが、任意売却は債務整理の1つの手段です。そのため、特定の債権者の存在を任意売却業者へ黙っていると、その特定の債権者が差押えをしてしまうと任意売却をすることができなくなってしまいます。

任意売却をするときは、住宅ローンに関係のある債権者のみならず、利害関係のある債権者の存在をすべて任意売却業者や弁護士に打ち明けて、対策を練っていく必要があるでしょう。住宅に抵当権を持っている債権者の存在を黙っていると確実に任意売却は破たんします。

まとまりかけていたのに突然の差押えで、任意売却が流れるというケースがあります。こうなってしまうと、仲介をする任意売却業者も見放しかねません。確実に成功させたいのであれば、利害関係のある債権者をすべてピックアップし任意売却業者へ提出する必要があるといえるでしょう。

税金の未納

住宅ローン債権者への返済については、任意売却をするのであれば一切する必要はありません。むしろしてはいけません。しかし、任意売却をするのであれば、税金だけは必ず支払うようにしましょう。

おそらく、住宅ローンを滞納しているということは税金も滞納していると思うのですが税金については、たとえ、自己破産をしても滞納している税金は免除になりません。つまり、債務整理でもっとも効力の強い自己破産を利用しても、税金の支払の義務はなくならないのです。

そして、税金未納が原因で住宅の差押えをされてしまうと、税金を全額納めなければ差押えが解除されないことがあります。任意売却が成立して、あとは引き渡しの段階になり税金の未納が原因で差し押さえになります。この後、役所によって対応が大きく変わり、税金の滞納による差押えの解除できずに、話が流れることもあります。

税金は、「優先税」については、全額、住宅の売却代金から控除されます。しかし、優先税というのは抵当権が設定される以前に滞納している税金になります。実際問題、抵当権が設定されて以降の税金の方が滞納額は高額です。

こちらは、住宅金融支援機構の控除基準ならば「10万円または固定資産税・都市計画税1年分のいずれか低い額」の控除が認められています。

concierge
そのため、任意売却を考え税金を滞納しているのであれば早い段階で役所へ行き、事情を説明し、少しずつ税金を支払っていく必要があります。なにより、ちゃんと税金を支払うという姿勢をアピールするということが重要です。

また、原則として競売になった場合、滞納している税金の返済まで配当がいくことがありません。そのため、役所にて「無益の差押え」であることを説明すれば、差押えを解除してくれることがあります。無益な差押えは本来禁止されていることなのです。

しかし、禁止されているから早く差押えをとけというような態度ではなく、税金を納める意思や予定をきちんとアピールする方が有益であるといえるでしょう。

売主(債務者)が原因のトラブルを回避するには?

売主が原因のトラブルの多くが、任意売却失敗に直結します。

売主が原因のトラブルにならないように、任意売却の専門業者がきちんとアドバイスをすると思いますので、そのアドバイスには従うようにしましょう。自分で判断して特定の債権者には返済する、税金の滞納というのは任意売却をよりややこしくします。

さらに、瑕疵を知りつつ、少しでも高い価格で売りたいと黙っていると任意売却が終わった後にトラブルとなりますので、些細な嘘などは任意売却をはじめ債務整理では決定的な失敗の原因になりますので避けるべきです。

まとめ

任意売却には、

  • 業者が原因のトラブル
  • 売主(債務者)が原因のトラブル

この2種類があります。

業者のトラブルとしては、

  1. 任意売却申請費・コンサルティング料を要求する
  2. 引っ越し代が必ずもらえると宣伝をする
  3. 媒介契約締結時に任意売却業者が金銭を支払う
  4. 任意売却の知識がない不動産会社が任意売却をする
この4点があります。

この業者のトラブルを回避するためには、任意売却の実績・実務経験が豊富な任意売却の業者へ依頼をするというのがいいでしょう。不動産業界で大手であっても、任意売却の実績・実務経験が乏しいのであれば、4番目のトラブルに引っかかる原因になりますので注意をしましょう。

売主が原因のトラブルとしては、

  1. 瑕疵を知りつつも黙っている
  2. 特定の債権者にのみ返済を続ける
  3. 債権者の存在を黙っている
  4. 税金の未納

この4つがあります。

1番以外はすべて任意売却の実行不可能なレベルの失敗になりかねません。そのため、売主が自分で判断することなく、しっかりと任意売却の業者に確認を取りながら判断をしていきましょう。

特に税金の未納に関しては、任意売却を失敗させる重大な原因の1つです。注意をしてください。

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