任意売却は弁護士に依頼するの?不動産会社に依頼するの?弁護士に依頼するメリットデメリット

任意売却は弁護士に依頼するの?不動産会社に依頼するの?弁護士に依頼するメリットデメリット

住宅ローンの支払いが困難になり、任意売却の相談に行きたいけど、どこに行けばいいのかわかりませんよね。インターネットで検索すると、不動産会社や任意売却専門の業者がすぐに相談できそうだと分かると思います。しかし、任意売却を依頼できる場所は、これらだけではありません。法律の資格をもつ弁護士なども任意売却の手続きを依頼し、すすめてもらうことができます。

それでは、どこが任意売却の相談に行くにはベストなのでしょうか。任意売却を成功させるには、時間が肝となります。いかに最速で確実に手続きをすすめていくことができるかということが肝心になります。任意売却の依頼先で迷っている場合ではありません。是非今回しっかりとどこがベストの依頼先なのかを理解し、任意売却が必要な際はすぐに相談へ行くようにしましょう。

任意売却の相談に行ける場所

不動産会社

一番気軽に相談へ行けるのではないでしょうか。近所や少なくともどこな地域でも駅前へ行けば数軒の不動産屋があるはずです。任意売却は、不動産を売却するという不動産取引でもありますので当然のことながら不動産会社へ行けば大概相談にのり、手続きを進めてもらうことができます。

ただし、任意売却はとても特殊な取引ですので、任意売却を行ったことがない不動産会社であれば断られると思います。もしくは、知り合いの業者を紹介してもらうことはできるでしょう。しかし、任意売却は、時間も限られていますし、とても特殊な取引ですので、できるならば取引に慣れた業者に行ってもらうに越したことはありません。

やみくもに近所の不動産屋へ相談へ行くよりかは、インターネットで検索し、任意売却専門の業者で、なるべく近くで信頼できそうな業者を探すことをオススメします。もちろん、不動産会社でも任意売却を得意とする業者であれば問題は無いかと思います。不動産会社のホームページなどを確認し、任意売却をどれほど経験しているか、また任意売却の取引にどれほど力を入れてるかなどをホームページを見るだけで確認できる場合があります。

任意売却は特殊な取引であり、専門的な法律問題も解決していかなければならないものです。ホームページで法律事務所や税理士事務所などとも提携し、任意売却に取り組んでいるというような内容のある業者を見つけることができたらより良いと考えます。

任意売却専門の会社

インターネットなどで検索すると、主に任意売却を専門に扱う業者を最も見つけやすいのではないでしょうか。任意売却を専門とする業者は全国的にも年々増えていて、インターネットで相談窓口として簡単に見つけることができます。こういった業者であれば、この業者自身が宅地建物取引主任者の資格のあるものが在籍し、不動産業も兼務している場合も多いですが、不動産取引にも慣れていて、かつ任意売却の特殊な取引にも精通しているので安心できます。

任意売却では、不動産取引だけでなく、金融機関との複雑な交渉をこなさなくてはならないですし、法律問題も解決していかなければなりません。任意売却専門の業者であれば当然のことながらこういった手順を把握し、スムーズに取引を行ってもらえると期待することができます。ただし、いくら専門の業者だからといっても経験や実績がなければ任意売却を成功させることができるとは言えません。

任意売却専門の業者をインターネットなどで検索する際も、しっかりとホームページで実績などを確認し、信頼できる業者を選択することをオススメします。

弁護士などがいる法律事務所

住宅ローンが支払えなくなっただけでは、弁護士への相談というとピンとこないかもしれません。しかし、任意売却は複雑な法律問題が関わっており弁護士などに代理してもらい解決してもらうということも主流で行われています。しかし、弁護士へ依頼すれば当然のことながら弁護士費用がかかってきますし、不動産取引も必要ですのでどのみち不動産会社とも仲介媒介契約を締結し、不動産を売却してもらわなければなりません。

従って、債務が住宅ローンのみで、任意売却にて不動産を売却し、債務を分割で完済していきたいというだけでしたら、直接不動産会社か任意売却専門の業者へ依頼することをオススメします。債権者が住宅ローンの金融機関のみである場合は、債権者同士でもめることもありませんし、差し押さえが行われている場合も金融機関や税金系のみだと考えられます。そのような場合は、わざわざ弁護士が債務の整理を行ったりすることもないので、弁護士は不要と考えます。ただ債務が住宅ローンのみではなく、消費者金融や複数の債務を背負っている場合には、債権者が複数となりもめることも多いです。

また債務が多重債務となると、任意売却を行ったからといって生活を建て直すことができるかというと、住宅ローンの支払いが困難となった場合は恐らく他の債務の返済も滞っている場合がほとんどとなります。そのような場合は、住宅ローン以外の債務の整理も必要となるので、この債務の整理には、場合によっては、弁護士に問題の対処を行ってもらう必要があります。従って、債務が住宅ローンのみである場合は、弁護士が必要とは限らないので、ひとまず不動産会社や任意売却専門の業者へ相談へ行ってみるといいと考えます。

弁護士などの法律事務所に相談に行くべき人とは?

任意売却の手続きに関しては、原則弁護士は不要です。近所の不動産屋でも任意売却専門の業者に依頼しても十分に足りる手続きになります。しかし、債務が住宅ローン以外にも存在し、多重債務状態で返済が困難になっている場合は、住宅ローンの債務の整理も併せて行う方がいいので、弁護士に依頼することをおすすめします。

というのも、多重債務の返済が困難になっている場合、任意売却にて不動産を処分したところでその他の債務も返済困難であるため、なんらかの債務整理や自己破産などの法的な手続きを行う必要がある場合がほとんどです。多重債務で返済が困難になると自力で解決するのは難しいです。法律の専門家に依頼し、法的に債務の整理をしないと放置していると自己破産をするしか手段がなくなります。不動産を処分しようと思いきったなのなら、是非併せて他の債務の整理をすることをオススメします。

また、任意売却の手続きは債権者の合意がなければ成しえません。多重債務となった場合、債権者も複数となり、全員の承認を得るには弁護士などを介する方がスムーズにすすみます。任意売却を成功させる確率を上げるためにも、多重債務となっている場合は、弁護士などの法律の専門家に依頼することが重要と考えます。

任意売却と合わせて債務の整理をする場合

任意売却は、原則弁護士などの法律の専門家を必要とはしません。法律の専門家でなくても、債権者と交渉し、不動産の売却の許可をもらい、また不動産を売却してもなお住宅ローンの債務に関して、債務を減額してもらうことや、分割で生活に無理の無い範囲で返済させてもらえるよう交渉できれば足ります。しかし、住宅ローンの債務以外にも債務が複数あり、任意売却で不動産を売却しても、債務を返済していくことが困難だという場合は、弁護士などの法律の専門家に相談することをオススメします。

弁護士などの法律の専門家に依頼すれば、住宅ローンの債務の整理だけでなくその他の債務も整理してもらうことができます。もちろん、弁護士に依頼すれば報酬は支払わないといけなくなりますが、多重債務で返済が困難になり生活が成り立たなくなっている場合、債務の整理をしなければ、今後も解決する術はありません。

住宅ローンの他にも債務が複数ある場合は、弁護士などの法律の専門家に相談へ行きましょう。以下に、どのような債務の整理の方法があるのか、また弁護士の報酬など詳しく説明していきます。

弁護士に依頼した場合の債務の整理の方法は主に3つ!

  1. 任意整理
  2. 個人民事再生
  3. 自己破産

必ずしも弁護士を必要とするものではありませんが、法的な手続であり、法律の問題も解決しなければなりませんので、弁護士などの法律の専門家に依頼する方が、より債務を有利に整理することができ、生活の再建へ向けてスムーズに進めることができるでしょう。それでは、債務整理の3つをそれぞれ詳しくみていきましょう。

任意整理とは

任意整理とは、簡単に言うと、債務の返済額を減額してもらったり、返済方法を楽にしてもらえるように債権者に交渉します。

そして、任意売却は、住宅ローンの債務の整理であったのに対し、任意整理は、住宅ローン以外の債務を対象とします。任意整理を行ったとしても、任意売却を行わなければ、住宅ローンの債務は引き続き支払う必要があります。それゆえ、任意整理によって、住宅ローン以外の債務が減額されることによって全体の返済が滞ることが無ければ、住宅を任意売却などで手放す必要もなくなります。しかし、任意整理をしてもどうにも生活が成り立たないということであれば、住宅も任意売却という手続きになります。

なお、任意売却も任意整理も自分で法律的な問題を解決し、債権者との交渉が必要となりますが、自力で行うことも可能な手続です。次の民事再生よりは簡単な手続となります。

しかし、任意売却も任意整理も債務が多重となる場合は、より成功させるためにも法律の専門家に依頼することをおすすめします。

個人民事再生とは

個人民事再生は、より法律の知識を必要とします。素人が自力で裁判所にて手続きを進めることができますが、余程に法律の知識やノウハウがないとほぼできません。弁護士などの法律の専門家に依頼することが成功の秘訣であるとも考えます。

任意整理との違いは、任意整理は直接債権者に交渉をしますが、個人民事再生では裁判所を介して対応します。それ以外にも、個人民事再生は、「現状は支払い能力があるが、このままでは破産の可能性がある」ということでその人を救済するため借金が大幅に減額されます。任意売却においては、過払いとなっていた利息が返済額から差し引かれ、また将来発生する利息もカットするような手続きとなり、個人民事再生と比べると減額率は低くなります。それゆえ手続きも民事再生と異なりより複雑なものとなります。

また、住宅ローンを抱えた人が選択する民事再生は、住宅資金特別条項付き個人民事再生となります。

こちらは、裁判所に再生計画というものを提出し、裁判所から債権者へ内容が通知され、再生計画が認可されると住宅ローンの債務以外の債務が減額されるという制度です。

住宅ローン特則付きの個人再生では、住宅を手放さずに債務を減額してもらうことができます。しかし、住宅ローンの債務の減額には任意売却の手続きが別途必要となります。個人民事再生を行っても住宅ローンの支払いが困難である場合は、任意売却の手続きを進め、住宅を手放し、住宅ローンの債務も減額してもらう必要があります。

自己破産とは

自己破産は、債務が法的に免除されるものになります。多重債務に苦しんでいる人を債務から解放しようという手続きになり、法的に問題を解決しないといけないので、弁護士などの法律の専門家に依頼することをおすすめします。法的に多額の借金を免除してもらうこの制度には、メリットが高い反面、デメリットもいくつかあります。まず、財産となるような、家、車、約100万円以上の現金、有価証券、貴金属等所有しているものは売却しなければなりません。さらには、連帯保証人などがいる場合は、共に自己破産しなければ、連帯保証人に債務の責務が残るため連帯保証人も破産者へとしなければなりません。

そして、財産を管理する者として破産管財人がつきます。今後は、破産管財人が主導となり財産の使途などを決めることになり、経済的に自由がなくなります。それでも、返済が不能になった債務が免除されることとなるので、債務者には非常にメリットの高い債務整理と考えることができます。こちらは、不動産関しても、任意売却にするか競売などを行うかなどして処分されることになります。

自己破産に関しては、とても複雑で高度に法律問題に対処する必要がありますし、不動産などの処分の手配も必要です。弁護士などの法律家を介さず自身で全て行うこともかのうですが、スムーズに解決したいと望むなら法律の専門家へ依頼しましょう。

弁護士などに依頼した場合のデメリット

弁護士などに依頼したほうが必ずしも有利であるとは限りません。上記にも記しましたが、債務が住宅ローンだけの場合は、弁護士などに依頼しなくても実績やノウハウのある任意売却専門の業者であれば十分に任意売却は成立させてもらうことができます。もちろん、弁護士に依頼する場合もそうでない場合も、任意売却は買主が現れなければ成立しませんので、手続きを進めれば必ず成立するものではありません。法律の専門家に依頼すれば安心であることは素人にとっては重要ではありますが、弁護士に依頼することがデメリットとなる場合もあります。以下に詳しく説明します。

弁護士の着手金や破産のための費用がかかる

無料の相談を受けてくれる弁護士事務所も増えていますが、現状は、まだ法律の相談は有料となる場合がほとんどです。また、着手金や報酬などを支払わないといけないので、債務の整理をしてもらっても多額の費用を支払ないといけないということは忘れてはいけません。

住宅ローンの債務のみであれば、通常の任意売却の手続きのみで足りますので、任意売却専門の業者や不動産屋へ依頼することで十分足りるのではないかと考えます。

弁護士は自己破産を勧める傾向にある

弁護士などの法律家というのは、法律を駆使して問題を解決するのが仕事であるため、複雑な法律問題を解決する自己破産を勧めてくる傾向があります。任意売却のように、ほぼ通常の不動産売却のみの取引等に関しては、弁護士にとっては出番がないようなものなので、自己破産などの手続きで不動産もそれ以外の債務も解決してしまおうということになります。もちろん、住宅ローンのみの債務であれば、任意売却の手続きを勧められるでしょうし、提携の不動産屋を紹介されそれ不動産屋主導ですすめられることになるでしょう。

多重債務となっていたとしても、自己破産をしなくても債務者にとって有利な解決方法はある中、弁護士に依頼すると自己破産へとなる可能性が高いということは否めません。これらをしっかりと頭に入れて相談などを受けるといいと考えます。

弁護士などは、不動産の販売や売却手続きを行わない

不動産の売却活動などは、不動産会社が行います。弁護士などに依頼しても、提携している不動産会社へ紹介され、どのみち不動産業者にて手続きをすすめることになります。任意売却をするにあたり、販売価格の査定や購入申し込み金額、その他条件の交渉なども不動産の業者が行い、弁護士が動くのは法律の問題を解決するときのみです。

債務が住宅ローンのみである場合などは、ただ単に弁護士のところへ足を運ぶことが無駄足になるとも考えられるので、債務が住宅ローンの身である場合は、直接不動産業者や任意売却専門の業者へ相談へ行くことをオススメします。

任意売却の費用は?

任意売却の費用は、原則発生しません。厳密にいうと、売買契約書に貼り付ける印紙代は支払い義務があります。しかし、通常の不動産取引で必要な仲介手数料や登記費用等は、全て任意売却にて不動産を売却した売却価格から差し引いてもらうことができ、債務者自身が自己資金で支払うものはありません。ただし、弁護士などの法律の専門家に相談、依頼した場合に相談料などを請求されることはあります。

「任意売却の手数料」「任意売却の代行料」などを請求されることはありません。

弁護士に依頼した際の費用

弁護士に依頼した場合の、相談内容としては「任意整理」、「個人民事再生」、「自己破産」と考えることができます。この3つの費用は、着手金と成功報酬ということになります。以下にこの3つの費用の相場を記載します。

債務整理の種類報酬の種類費用相場
任意整理着手金債権者1人につき、3万円~5万円ほど
成功報酬減額された借金額の10%が相場

過払い金がある場合は、回収した過払い金の20%程度。

また、訴訟によって過払い金を回収した場合は、回収額の25%程度が相場となっている。

個人民事再生着手金20万円~30万円が相場
成功報酬再生計画が認められると10万円~20万円程を支払うことが通常
自己破産着手金20万円~30万円が相場
成功報酬債務の免責が認められると、10万円~20万円ほどを支払うのが相場。

ただし、成功報酬を不要とする場合もある。

まとめ

任意売却を誰に依頼するかは、債務の状況によることがお分かり頂けるかと思います。弁護士に依頼するのはとても安心のように思えますが、誰にとっても有利であるとは限りません。弁護士へ依頼する場合のデメリットもしっかりと理解し、その上でどちらに相談依頼するかを判断してみて下さい。

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