なぜ任意売却の専門業者に依頼をするべきなのでしょうか? 一般の不動産業者とはどこが異なるか徹底解説

任意売却については、普通の不動産売買とは異なり、幅広い知識が必要となります。そのため、普通の街の不動産業者に任意売却を依頼するよりは「任意売却専門業者」や「任意売却コンサルタント」などと呼ばれている専門の不動産業者に依頼した方がメリットはあります。

今回は、任意売却をなぜ専門業者に依頼をするべきなのかを紹介します。また、任意売却業者選びのポイントや基準についても併せて紹介しましょう。

任意売却は時間が勝負であり、任意売却の業者選びに失敗すれば任意売却にも失敗する可能性が非常に高くなります。間違っても悪徳業者・悪質業者に騙されないようにしましょう。

任意売却専門業者と一般的な不動産業者

任意売却専門業者と一般的な不動産業者の違いですが、実は明確に分けることはできません。一般的な不動産会社でも任意売却をすることができます。

そもそも、不動産売買をするためには、宅地建物取引業法の免許が必要です。会社として宅地建物取引業法の免許を取得するためには、社内に5人に1人以上の割合で宅地建物取引士の登録者が必要となります。

つまり、

  • 会社では宅地建物取引業法の免許
  • 個人では宅地建物取引士

この2つの免許を持っていれば、不動産売買や任意売却をすることが可能です。

中には、任意売却の名前を関するNPO法人・任意売却紹介業者・弁護士・司法書士などが運営する、不動産業者ではない会社や団体が運営する事務所が存在します。

このような業者は、宅地建物取引業の免許・宅地建物取引士の免許を持っていませんので、任意売却にかこつけて借金の整理費用や不動産を売却した際の手数料が別途必要になるケースがあります。

一般の不動産業者が任意売却に向かない理由

一般の不動産業者でも、法律上は任意売却をすることは可能です。

しかし、任意売却の物件とは、民事執行法という法律により定められた裁判手続きをしている途中の不動産を売却する行為になります。

不動産業者は一般の不動産売買の専門知識には長けています。そのため、物件の販売力についてはメリットがあるでしょう。しかし、任意売却は法律的な知識、特に債務整理に関係する法的な知識が必要不可欠です。

では、一般の不動産業者に、専門的な法律の知識があるのかといえば正直まったくありません。なぜなら、一般の不動産売買においては全く不必要な知識だからです。

そのため、任意売却では売主(債務者)よりも大きな決定権を持っている債権者との調整や交渉能力については不十分である可能性があります。

売主が任意売却に積極的であっても、抵当権等を持っている債権者が任意売却に納得しなければ任意売却をすることはできません。つまり、一般の不動産売買とは異なるので、任意売却に失敗する可能性が高くなります。

任意売却専門業者

任意売却専門業者とは、抵当権等を持っている債権者との交渉力や任意売却に関係する知識・ノウハウ・実務経験の量が豊富な任意売却を専門とする不動産業者です。任意売却を確実に成功させたいのであれば、任意売却専門業者へ依頼するのがベストな選択になります。

一般の不動産売買とは異なり任意売却は、売主と買主のマッチングをおこなうだけではなく、抵当権等の担保権者である債権者とさまざまな交渉をおこなわなければなりません。そのため、債務整理をはじめとした非常に専門性の高い分野の知識を必要とします。

任意売却でもっとも重要になるのが、債権者に抵当権等の設定登記を抹消してもらうことです。さらに、債務者にとって有利な条件を引きだすことも任意売却では重要です。

不動産を売ればそれで仕事が終わりということではなく、任意売却専門業者は、どれだけ依頼してきた債務者の利益を考えて行動し、任意売却を成功に導くかという点においても一般の不動産業者とは異なります。

さらに、任意売却の専門業者へ依頼することで、住宅の売却のみならず、引越し先の斡旋や引越し代金を債権者と交渉し捻出したり、住宅ローンの残債の返済方法についての交渉方法やアドバイスをしてくれたりします。

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また、任意売却をして借金の返済が困難である場合は自己破産などの債務整理に強い弁護士を紹介するなど、債務者にとっては、任意売却専門業者はさまざまなメリットがあります。

任意売却と弁護士は有りか?

任意売却は債務整理のひとつの方法になりますので、弁護士に任意売却を依頼するというケースも考えられます。

確かに弁護士は法律の専門家になりますので、債務整理などに対しては非常に強い味方となります。しかし、住宅を売却する任意売却においては、弁護士は不動産業者ではありませんし、宅地建物取引業法の免許や宅地建物取引士の免許を持っていませんので、不動産を売る仲介を行えません。

つまり、不動産販売においては全くの専門的知識を持っていないものと考えた方が無難です。そのため、弁護士に任意売却を依頼した場合、弁護士が仲介をして任意売却の専門業者に依頼をすることになり、なおかつ弁護士への仲介手数料を支払う必要が出てきます。

また、弁護士への支払い手数料については、任意売却の費用控除の対象外になりますので自費で捻出しなければなりません。

弁護士は債務整理の交渉は得意ではありますが、任意売却が絡んできますと、不動産業者は必要不可欠です。結果的に、弁護士費用という余計でしかも高額な費用が発生する可能性は否定できません。

そのため、個人再生など住宅ローンを守りつつ、その他の債権を圧縮することを考える、つまり、住宅を何とか残すことを考えているのであれば債務整理に強い弁護士に相談するのも一理あります。しかし、個人再生などを考えず、はじめから任意売却を考えている場合、弁護士へ依頼をするのは間違です。

仮に任意売却の専門業者へ依頼をして、任意売却に成功したとしても、その後の残債務の返済が困難な場合は、任意売却の専門業者であれば債務整理に強い弁護士を紹介してくれます。

  • 住宅を残したい場合は弁護士
  • 住宅の任意売却を真っ先に考えている場合は任意売却の専門業者

という風に、依頼先を変えていく必要があります。

安心できる任意売却業者を選ぶ基準

任意売却の業者はインターネットで検索をすれば非常に多く出てきます。中には、不動産業者ではない会社や団体も任意売却の仲介事務所として出てくるでしょう。

そのため、どの任意売却業者に依頼をするべきなのか悩んでしまうはずです。任意売却業者を選ぶ際にはどのような基準があるのか気になるところです。

任意売却の業者選びに失敗をしてしまうと、任意売却それ自体に失敗することを意味します。大手不動産業者であっても、任意売却を専門としていない不動産業者に任意売却の仲介を依頼してもよい結果になるとは限りません。また、街中にある小さな地域密着型の不動産業者へ依頼をしても、結果は同じでしょう。

また、悪徳業者も多く存在します。競売が開始されている場合、配当要求終期の公告を裁判所で確認したのちに営業を仕掛けてくる業者も存在します。

任意売却は不動産業者へ支払う仲介費用は全額控除の対象なので、1円も支払う必要はないのですが、悪徳業者の場合、さまざまな理由(たとえば、コンサルタント料金など)をつけて、余計な費用を請求してくることがあります。

そのうえで、任意売却の販売活動など真面目にしていませんから任意売却に失敗するか、ものすごく安い料金で売却しなければならないということになりかねません。

ちなみに、任意売却をする場合、コンサルタント料金というものは発生しません。任意売却で仲介業者に支払うのは、宅建業法にて定められた仲介手数料のみです。それ以外は一切支払う必要はありません。その仲介手数料も住宅の売却代金から控除されますので、お金を支払う必要はないのです。

では、変な業者に引っかからないために、任意売却業者を選ぶポイントや基準を紹介していきます。

1.実績が豊富であるか?

任意売却は業者と債権者との話し合いで結果が大きく変わります。任意売却の実績が豊富ということは、さまざまな知識やノウハウが豊富であるということです。少しでもよい条件で任意売却の話をまとめたいのであれば、豊富な経験と実績を持つ業者の交渉力は必要不可欠でしょう。

実績があるほど、任意売却の成功率は高く、フォローも万全で頼りがいがあります。

目安としては、

  • 取引実績100件以上
  • 設立年数が3年以上
この程度の実績がある方がいいでしょう。

2.信頼のおける業者であるか?

基本的なものですが、不動産売買をするためには、宅地建物取引業の免許が必要になります。この免許がなければ任意売却をすることができません。

また、不動産業界団体に所属をしているのか、そして、任意売却に関連する諸団体へ所属をしているかなど確認をすることが重要です。

3.任意売却後のアフターフォローの体制が整えられているか?

任意売却の場合、オーバーローン(住宅ローンの残債務>住宅の売買益)になるケースが一般的です。任意売却が成立しても、手元には住宅ローンの残債務が残る場合があります。その残債務の返済方法について債権者との交渉をする際のアドバイスをくれたり、弁護士などが必要な場合は弁護士を紹介してくれたりします。

不動産売買だけを熱心におこない、その後のことはご自分で解決してくださいという業者も多く存在します。そのため、任意売却後の残債務の返済交渉などのアフターフォロー体制が整っている任意売却専門業者なのか確認をするといいでしょう。

4.手数料に不透明な点がないか?

任意売却業者へ支払う、仲介手数料は「制約価格の3%+6万円+消費税」と法律で決められています。これは住宅の売却代金の中からすべて控除されますので、依頼をした債務者の持ち出しはなく、実質的に費用負担はありません。

前述しましたが、悪徳業者は様々な理由をつけて法外な手数料を要求することがあります。逆にお金を渡してくる業者も存在しますので注意をしましょう。

理由なく金銭を支払うのも支払われるのも避けた方がいいでしょう。結局、損をすることになる可能性があります。

5.保証人に迷惑がかからない対応をしてくれるか?

任意売却をする場合、保証人に迷惑がかかる可能性があります。連帯保証人などには極力迷惑が掛からない方法をアドバイスする専門業者を選ぶようにしましょう。

保証人に関係するアドバイスをしてくれる業者というのは、あまり多くありません。

6.できないことはできないと言う業者

任意売却業者の宣伝文句として「絶対に引越し代を捻出させる」「高額な立退料を出させる」と断言する業者については、注意が必要です。このような業者はなるべく避けた方がいいでしょう。交渉が始まっていないのに、相談段階で言い切ってしまうというのは信用に欠ける業者であると考えるべきです。
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特に夢のような提案をしてくる業者は、基本的に信頼すべきではありません。夢のような提案のほとんどは嘘です。

7.担当者がスピーディーに対応をしてくれるか?

任意売却は、スピードが命です。そのため、相談に対してスピーディーに対応してくれるのかということは重要です。また、相談をする担当者が固定で1人ではなく、コロコロ担当者が変わるという任意売却業者は話がうまく通じずストレスになります。そのため、最初から最後まで担当者が固定の場所を選ぶと安心できます。

また、丁寧に誠意をもって話を聞いてくれているのかという点も意外と重要です。質問や知りたいことなどへ、率直に対応してくれる業者というものが重要です。

さらに、具体的にどのような対応をするのか、その手順、流れなどをきちんと説明してくれるかという点も業者選びにおいては非常に重要となります。

8.顔が見える業者か?

近年では、インターネットを利用して任意売却の専門業者を探すというのが一般的でしょう。そのような場合、ホームページに代表者や相談員の顔写真やプロフィール、会社情報などが身元を証明する情報がきちんと記載されている業者を選ぶようにしましょう。

任意売却では、業者をどのくらい信用して任せるかということが重要になります。遠慮なく話し合うことができない業者では、任意売却に本当に成功したのかわかりません。

本音で話し合うに足りる業者かしっかりと見極めて依頼をするようにしましょう。

悪徳業者・悪質業者について

 

任意売却をする上で一番気をつけなければならないのが、悪徳業者・悪質業者の存在です。繰り返しになりますが、任意売却の成否は任意売却業者の交渉力などに大きく左右されます。

悪徳業者・悪質業者のテンプレートとしては、高額な引越し費用や立退料を用意させますというのが多くなります。

競売と比べれば、任意売却は引越し費用を捻出できるケースは多くなります。しかし、現在では債権者の多くが引越し費用をあまり捻出したがりませんので、引越し費用の相場として10万円~30万円程度が相場であり、引越し費用の捻出をしてもらうだけでもかなりラッキーな方です。

しかし、悪徳業者・悪質業者は集客や契約のために大げさに広告をします。

「契約して任意売却に成功した際、ご祝儀として100万円を現金でお渡しをします」といった、夢のような大げさな広告を出して期待を持たせますが、基本的にこのような業者は悪徳業者・悪質業者なので、夢のような広告につられないようにしましょう。

このような業者については、誠意などがあまりなく、口当たりのいいような適当なことや嘘をよくつくので、すぐにわかると思います。すぐに気が付いた場合は契約を結ばずに避けるようにしましょう。契約を結んだ場合3ヶ月間は別の業者と契約を結ぶことができなくなります。

相談をする段階で信頼関係が築けなさそうだなと判断したり、金銭的なことで期待を持たせるようなことばかり言う業者だったりする業者はなるべく避けるべきでしょう。

任意売却は時間との勝負です。競売の期間入札の期日が近づくにつれて、住宅を安く売却しなければならなくなったり、競売の取り下げが難しくなったりするケースがあります。つまり、悪徳業者・悪質業者にかまっている時間というのははっきり言って無駄です。

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そのため、夢のような大げさな広告に釣られないようにしましょう。

まとめ

任意売却の専門業者と一般の不動産業者の違いとしては、持っている知識や実績の量が異なります。一般の不動産業者は不動産取引の専門的な知識を持っていますが、任意売却は不動産取引の知識の他に債務整理系列の専門的な法的知識など幅広い知識が必要となります。

そのため、一般の不動産業者に任意売却を依頼してしまうと、知識不足があだとなり任意売却に失敗してしまう可能性が高くなります。

そして、任意売却の業者を選ぶ基準としては、

    1. 実績が豊富であるか?
    2. 信頼のおける業者であるか?
    3. 任意売却後のアフターフォローの体制が整えられているか?
    4. 手数料に不透明な点がないか?
    5. 保証人に迷惑がかからない対応をしてくれるか?
    6. できないことはできないと言う業者
    7. 担当者がスピーディーに対応をしてくれるか
    8. 顔が見える業者か?

この8つの基準とポイントが重要になります。

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