任意売却は競売よりメリットがあるというけど、どんなメリットがあるの？任意売却の9つのメリット徹底解説

競売と任意売却を比較すると任意売却の方がいいといいますが本当ですか？

任意売却は競売よりも様々なメリットがあるのは確かです。

でも、任意売却は業者に依頼をするので、お金とかかかりますよね？

任意売却は住宅の売却代金から業者への報酬が発生しますので、実質無料で任意売却の依頼をすることができます。

じゃあ、競売より損をしないんですね！

その通りです！

ということで、今回は任意売却をする際のメリットについて紹介をしていきます。任意売却は、債務者のみならず債権者にもメリットはあるのです。誰も損をすることが無い任意売却のメリットを具体的に紹介していきましょう。

任意売却のメリットとは

任意売却は、不動産売却の方法である競売と比べて様々なメリットがあります。言い方を変えると、競売はデメリットが多いので任意売却はメリットが多くなるわけです。

任意売却のメリットと一口にいいましても、債務者のみならず、住宅ローンを融資している債権者にもメリットはあるのです。

つまり、わざわざデメリットの多い競売を選ぶより、任意売却を選んだ方が、誰も損をすることはないのです。

任意売却のメリット一覧

任意売却のメリットとしては下記のものがあります。

1.住宅を市場価格に近い価格で売却できる

競売の場合は、高く住宅を売却することよりも迅速に売却するということに重点が置かれており、また、競売に参加する業者というのは少なくなります。

一方、任意売却は普通の不動産売買と同様の売却方法にて売買をしますので、市場価格に近い価格で売却をすることが可能です。ただし、市場価格と同等の価格での売却というのは少し難しくなります。

任意売却をする場合、売主は経済的に破たんしている可能性が高いので、瑕疵担保責任という売主の責任を免除してもらうことが一般的です。

その結果として、通常の住宅売買価格よりも値が下がってしまいます。しかし、競売と比較をすれば十分市場価格に近いので、メリットの1つになります。

2.住宅ローンの残債務を減額できる

任意売却とは、突き詰めれば債務整理の1つの方法です。住宅を売却することで返済が不可能になった住宅ローンの残債務を圧縮するというのが本来の目的です。

債務整理という観点から考えれば、競売よりも任意売却を選ぶ方が残債務の圧縮額が多くなり、経済的にも現実的にもメリットは多くなります。

3.交渉により、さらに残債務の額を減額することができる

任意売却をするためには、債権者の同意というものが必要です。債権者は抵当権というものを持っていますので、抵当権を抹消してもらわないと任意売却をすることができません。

任意売却をする段階において、債権者は銀行へ代位弁済をしたローン保証会社やローン保証会社から委託を受けたサービサー（債権回収会社）になります。

任意売却と通常の住宅売買が異なるところとしては債権者の存在があります。そのため、任意売却に慣れた専門の不動産業者などに依頼をしなければ、債権者との交渉に失敗をして任意売却が頓挫する可能性があります。

ただ、競売よりも任意売却の方が債権者が回収することのできる、住宅ローンの残債務額は多くなります。そのため、競売よりも任意売却に対して債権者は積極的に協力をしてくれます。

また、サービサーの中には、残債務のさらなる圧縮を提案してくれる場所もあります。たとえば、残債務が500万円あるとしても100万円に圧縮してくれるというケースです。これは稀なケースですが、任意売却など積極的に返済をする姿勢を見せていると圧縮をしてくれる可能性が高くなるのです。

結果として、残債務の返済額が本来の額よりも少なくなり、経済的な更生が速くなるというメリットがあります。

4.引っ越し時期に柔軟に対応をしてもらえる

競売の場合、開札をした後、買受人が代金納付期限内に代金を入金してしまえば、強制的に住宅の所有権は買受人の物となります。

所有権を失っているので、だいたい1ヶ月以内に住宅を引き渡さなければ、引渡命令をへて強制執行にて家具をはじめすべてを強制的に搬出されて、住宅を追い出されてしまいます。

もちろん、引っ越し代金や引き渡し料などは払われません。以前は温情で払われていましたが、現在では安価で強制執行を実行することができますので、引っ越し代金を支払うより強制執行をして追い出してしまった方が手早く済みます。

余裕を持って引っ越しをすることが可能です。

5.住宅ローンが支払えない事実が周囲にばれる心配がない

競売の場合、裁判所に掲示され公告されるうえ、インターネットのサイトである不動産競売物件情報サイト（BIT）にて間取りなどが詳細に公表されます。また、裁判所でも「現状調査報告書」「評価書」「物件明細書」などを無料で誰でも閲覧することができます。

特に不動産業者は、競売で安く不動産を手に入れることができますので、これらの情報は必ずチェックします。結果、不動産売買業者からダイレクトメールが連日届きます。また、競売をするということはお金に困っているとして、貸金業者からのダイレクトメールなどが送られてくることでしょう。

不動産業者の中には、住宅に訪問をして間取りを見せて欲しいとか、自分のところで任意売却をしないかなど営業をかけてきます。

競売をすると違法性の高い業者が連日連夜昼夜問わずやってきます。そのため、ご近所さんからはかなり白い眼で見られることでしょう。

任意売却は、その点、普通の不動産売却になりますので、悪徳業者が情報を得る手段がないのでアプローチをかけられることはありません。普通に住宅を売買することができます。

6.費用が一切かからない

また、債権者が複数いる場合、すべての債権者から抵当権を抹消してもらう必要があります。そのときに、抵当権等抹消費用を支払うのですが、これも住宅の売却代金の中から支払われます。

マンションに住んでいる場合、過去5年までさかのぼり管理費や修繕積立金の滞納分を代わりに支払ってくれます。

このような費用控除制度がありますので、任意売却はお金がかかるから利用できないという考えは間違いで、お金がなくても任意売却を利用して住宅を売却することができます。

7.任意売却の期間中には返済の必要はなく、住宅に住み続けることができる

なぜ、住宅ローンの返済をしてはいけないのかというと、任意売却は期限の利益を喪失したうえで、代位弁済・一括請求をされないとすることができないのです。

住宅ローンとして支払っていた分が丸々手元に残りますから、たとえば引っ越し費用として積み立てたり、滞納している税金の支払に充てたりして、任意売却後の生活をよりスムーズにするための資金とします。

8.ストレスなく任意売却を実行することができる

任意売却の場合、自分で住宅を売却する意思決定をしますので、前向きな気持ちで住宅を手放すことができます。一方、競売の場合、国の力を背景に無理やり住宅を追い出されてしまいますので、精神的なストレスの溜まり具合は、任意売却の方が少なくて済みます。

また、競売の場合、裁判所などにより公告されますので、様々な業者からアプローチを仕掛けられます。怪しげな不動産会社、闇金、よくわからないコンサルタント会社、宗教団体、事件屋と呼ばれるヤクザのような集団からのアプローチがあります。

これら業者からのアプローチの中で、精神バランスを正常に保つのは不可能に近いでしょう。

怪しげな団体からのアプローチを避けるためにも、任意売却をした方がいいでしょう。

9.不動産リースバックが利用できる

不動産リースバックというのは、任意売却の1つの方法であり、住宅を売却したと同時にリース契約を結び、いままでどおり自宅に住み続けることができるというものです。

不動産リースバックのリース料金は不動産売却価格の10％／年となります。

オーバーローン（売却価格＜残債務）の場合は、任意売却をしても不動産リースバックを利用することは難しいのですが、不可能ではありません。住宅を売却しても自分の家に住み続けたいという方は、競売ではなく不動産リースバックができる任意売却を検討するといいでしょう。

また、親子間売買・親族間売買ですが、親子間売買は子供の住宅の所有権を親が買取り、子供はそのまま自宅に住み続けるというものです。親族間売買は親族や友人知人が住宅の所有権を買取り、リース料金を支払い住宅に住み続けるというものになります

親子間売買については、通常、親子間で不動産の売買をしないので住宅ローンの審査が通りにくいなどのデメリットがありますが、不可能ではありません。

住宅を売却したのに住宅に住み続けることができるのは、任意売却のみのメリットであるといえます。

まとめ

任意売却は競売と比較をするとメリットが多いとされていますが、競売は単純にデメリットが多いのです。

任意売却のメリットは、高く住宅を売却するだけではありません。

また、住宅ローンの返済をしなくていいので、住宅ローンの返済で消えていた分の収入を丸々手に入れることができるので、任意売却後の経済的な更生はスムーズに進むといえるでしょう。

また、不動産リースバックのような競売では利用するのがかなり難しい手法を利用することが可能です。オーバーローンでは利用するのが難しいのですが、不可能ではありません。任意売却の大きなメリットに将来的にはなることでしょう。